隠れたストレス、気付かずに積み重なるストレスがあるという話をしましたが、皆さんも心あたりはありませんか?
今回は、自分のストレス反応パターンを把握しましょう。
人がもつ、3種類のストレス反応
ストレス反応には、「身体的反応」「心理的反応」「行動面での反応」があります。
「イライラする」という心理的症状に加え、「お腹がゆるい」「肩がこる」という身体的症状がみられる場合もあります。また、「買い物しすぎてしまう」「食べ過ぎてしまう」「タバコやお酒の量が増える」という行動の変化が伴う場合もあります。
このような反応はすぐに出る場合もあれば、数週間、数か月の時間差を経て現れる場合もあります。ひとりの人間に現れるストレス反応はパターンが決まっています。自分で「これはストレス反応かもしれない」と気が付くことで、早期に対応するきっかけになります。
①身体的反応
多いもの:頭痛、頭が重い、めまい、吐き気
よく見られるもの:動悸、のどに異物がつまる感じ、胃痛、腹痛、頻尿、微熱、息苦しさ、咳、下痢・便秘・生理不順、背部痛・肩こり、腰痛
②心理的反応
多いもの:イライラ、そわそわ、落ち着かない、過敏
よくみられるもの:不安、怒り、集中力の低下、持続力の低下、無気力、抑うつ(落ち込み)、自分は意味のない存在・自分はだめで周囲に迷惑をかけているという思考
③行動面での変化
多いもの:過食、飲酒・喫煙量の増加
よく見られるもの:買い物しすぎる、すぐに攻撃的になる、過眠、落ち着きがなくなる、多弁、引きこもり、遁走(現実逃避)、神経質で小さなことにこだわりすぎる
ストレスに対する個人差
この他に、個人の性格や体質などでもストレス反応には差が出ます。
主なものに
①性格
ストレスを受けやすい性格として、几帳面、人間関係に過度に気を遣う、内向的など。
②ストレス対処スキル
ストレス解消にあたって本人にあった対処方法が実践が可能。
③ライフスタイル(生活習慣・生活リズム)が確立されて、維持されているか
ストレス要因への抵抗力をつけるために非常に重要。
④素因
アレルギーのように、一般の人には害がなくても、ある人達は過敏に反応するという場合があります。持って生まれた素因に加えて、生後の体験が加わりストレスに対して過敏になることがあります。特定のストレス原因に鋭く反応する場合もみられます。
減感療法といって、徐々にアレルゲンに触れて、反応を減らしていく治療があります。同じように、素因があってもストレスに対する反応を小さくしていくことは可能です。
⑤年齢
若い方がストレスに弱く、成長して経験を積むにつれ、強くなります。しかし、中高年ではストレス耐性が下がります。詳細は、コラム2「ライフサイクルとストレス」をご覧ください。
⑥性差
性ホルモンの働きにより、月経前、産後、更年期は特にストレス要因に弱い時期です。国を越えて全世代でみても、女性は男性の2倍、うつ病になりやすいといわれています。
ホルモンだけでなく、女性がよりストレスを受けやすい社会環境(仕事プラス家事の負担など)、男性優位社会での性差別による「条件づけられた孤立・無力感」など環境的・心理的要因の影響も多大です。
しかし、女性の自殺率は男性の半分以下です。これは、うつ病が自殺率に大きな割合を占める昨今の数字です。周囲に助けを求める、何らかのストレス対処を適切に行える女性が多いのかもしれません。
逆にいうと、男性は、うつ病になる割合は女性よりも低くても、自殺に至る率は高いのです。これは、ストレスを受け、心に悩みを抱えた時、他人に援助を求める行動の差によるものだといわれています。女性は早い段階で気軽に悩みを打ち明けたり愚痴を言えますが、男性はひとりで抱え込んで爆発させてしまう傾向が強いのかもしれません。
⑦季節
いろんな変化が集中する3・4月、新入社員であればさらに連休明けの5月、学生であれば長期休暇明けの9月、社会人であれば年度末の忙しい時期。
⑧支え
⑥でも挙げましたが、自分ひとりで解決しようとせず、気軽に周囲に相談することが大切です。
「家族」、そして「同級生や職場の仲間」以外にも「地域コミュニティ」などの相談先もあります。公的な支援として、行政やいのちの電話など。傾聴グループや、心の悩みに寄り添うNPOなども考えられます。
同じ悩みを抱えたもの同士が集まるピア・サポートの場、ストレス対処法を練習する活動もあり、Facebook上での交流も活発です。もしくは医師やカウンセラーでもよいでしょう。
知り合いには相談できないという方は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
Lesson2-1 まとめ
- 3つのストレス反応は、「身体的反応」「心理的反応」「行動の変化」。
- ストレスに対する個人差は、「性格」「ストレス対処」「ライフスタイルの確立」「素因」「年齢」「性差」「季節」「支え」により異なる。