精神病の患者は、自傷や時には他者を傷つける危険があります。
自傷の危険があるとき
自殺の危険が高く、統合失調症患者の1割が自殺でなくなります。「自殺するつもりですか?」など、直接自殺に関わる質問をしたほうがよいでしょう。
コラム3「うつ病と自殺」も参考にしてみてください。
他者を傷つける危険があるとき
精神病の人が暴力をふるうことは大変少ないです。しかし、事件として報じられることが多いのが現実です。精神病による暴力より、アルコールや薬物による暴力のほうが多いのです。
正しい対応策
①身体接触しないでください
自己防衛以外は避けてください。
②警察を呼びましょう
精神疾患により医療の助けが必要であると伝えてください。
③落ち着いた、危険のない雰囲気を作りましょう
適度な距離を保ち、ゆっくり、静かに毅然と簡潔に話してください。テレビやラジオを消して、注意をそらさないようにしましょう。患者に近づきすぎてはいけません。
④当事者に座ってもらいましょう
なるべく全員が座りましょう。人は座ると心に余裕が出て落ち着きます。あなたや周囲が立っていると、当事者は脅威を感じるかもしれません。常温のお茶(熱いとこぼした時危険)などを飲むのも連帯感をうむためよいでしょう。
⑤急性精神病状態の人を理屈で説得するのは無理です
怒りや非難を表してはいけません。当事者をさらに興奮させ、行動をエスカレートさせるかもしれません。
当事者の行動は、恐ろしい妄想や幻聴により、あなたとは違った「現実」を感じているせいなのです。
⑥気持ちのつらさに対する共感を示しましょう
妄想や幻聴は無視して、感情にのみ理解を示しましょう。
⑦理にかなった要求には応じます
自分を尊重してくれている、と相手に感じてもらうためです。
⑧中立的な立場をとり、部屋では安全な場所にいてください。
あなたの身の安全が第一です。
治療について
興奮していたり、自傷・他害の恐れがある深刻な状態では、落ち着くまで入院が必要です。以下の場合は、本人が治療に同意しなくても入院治療が可能です。
医療保護入院:
精神医学的に入院が必要であると精神保健指定医が判断し、保護者などが入院に同意した場合。事前に専門医と相談しておくとよいでしょう。
措置入院:
自傷・他害の恐れが強いと2人の精神保健指定医が判断した場合。現実的には、まず警察を呼び、保護してもらい、警察経由で措置入院の手続きを進めることが多いです。
Lesson3-8 まとめ
・精神病患者本人にとって恐ろしい幻聴や妄想が、本人にとっての「現実」を作り出していると忘れずに対応することが大切。あなたの見えている現実とは異なるものが見えている可能性を考慮。
・他人を傷つける恐れがあるので、理屈で説得したり、自分だけで乗り切ろうとせず警察を呼ぶことも考えるべき。
・医療保護入院や措置入院がある。
精神病性障害のお役立ちリンク
病気の概要、病気が疑われるときの対応、当事者や家族体験談など。
当事者家族による団体のホームページ。政治施策の動向や、会のイベント、研修会、関連書籍情報など。
研修会情報のほか、統合失調症についてのネットセミナー、薬物治療の解説など。