瞑想以外のマインドフルネス、日常の中で行うもの
マインドフルネスとは、直訳するとマインド(=心)がフル(=満たされている)状態のことで、「今、ここに全身全霊で意識を向ける」という考え方です。
この考えに基づいた瞑想をご紹介しましたが、日常生活の中で行動として行うこともできます。具体的には「今やっていることに集中して、いつものことをいつも以上に注意して感じ取ること」です。
例えば、いつものように料理を食べることをマインドフルネスにやってみると、ただ食べるのではなく、
- 料理の香りを楽しんで
- 色を観察して、おいしそうだと感じ
- よく噛んで味わって
- 料理の温度や味や食感を感じながら食べる。食後の感覚も大切にする。
このように、今の行動に集中して五感を注ぐことを「マインドフルな状態」といいます。
この状態は、何ものにも惑わされず、どんな感情も客観的にとらえて受け入れられる状態です。
この状態が続くことで、心がより満たされ、良い結果につながると考えられています。
マインドフルネス瞑想の効果
マインドフルネスの方法の1つであるマインドフルネス瞑想の効果は、以下が挙げられ、科学的検証も行われています。
- 高血圧の改善
- 血糖値やコレステロールの上昇抑制
- 不安の軽減
- ヒーリング効果を高め
- 大脳皮質の発達につながる
メンタルヘルスにおける効果事例
マインドフルネスに関する研究は多数あるため、有名な研究結果をご紹介します。
- 抗うつ薬投与の群よりもマインドフルネス実践群の方が、うつ病の再発は少なかった
- マインドフルネス実践者は脳の前頭前野にあるdlPFCの活動が活発になっている
- 大規模メタ分析から、マインドフルネスは心理的な問題、特に不安、うつ、ストレスの減少に効果があることがわかった
- マインドフルネス実践群は海馬の灰白質が5%増大し、逆に扁桃体は5%減少した。
灰白質の変化は、新しい能力を身につけたときの変化に匹敵し、扁桃体減少は、ストレスに対する過剰な反応が抑えられていることを意味する。 - 1日のマインドフルネス実践で、慢性炎症に関わる遺伝子であるとされているRIPK2の活動が減少した。
- 瞑想したグループは、他のグループよりもストレスが少なく、集中力も高く、記憶力も向上していた。
- 注意力向上の訓練を行った結果、学生の記憶力と学業成績を向上させた。
- マインドフルネスの考え方で五感をフルに使いながら食事をすることで、実施したグループのカロリー摂取量は、通常の食事をしたグループよりも低く抑えられた。
- マインドフルネス実践により、慢性疼痛・ガン・心臓病などの慢性疾患を改善させることがわかった。
- 瞑想をしていたグループは抗炎症薬・鎮痛剤の働きをする遺伝子に変化が起き、ストレス状態から早い回復を見せた。
- ヨガを実践したグループは、終了後から3か月間、ヨガをしなかったグループよりも疲労を感じず、元気な人が多かった。
- 教師と一緒にヨガを行った低所得家庭の小学三年生に注意力の改善がみられた。
- ある会社で7週間瞑想とマインドフルネスのプログラムを受けて、通常通りの仕事をしたところ、仕事に優先順位をつける作業により時間を割くようになり、非生産的な活動をしないようになった。
ヨガとの組み合わせは、効果をあげます。
また、普段の食事も意識的に味わうことで減量にもつながるという研究結果もあります。「味わう=よく噛む」ということで、さらに「噛む」ことは、満腹中枢を刺激します。
マインドフルネスとは、方法論ではなく、「物事に意識的に向き合おう」という考え方です。
瞑想や五感を傾けた行動は、その状態を実現するためのやり方のひとつです。
いつもの通勤通学途中で、「陽がまぶしいな、プランタの花が輝いて美しいな」と気づき、観察し、一瞬その感覚を味わうだけでもマインドフルネスなのです。
簡単に取り入れられ、これだけ効果も実証されているマインドフルネス、皆さんもはじめてみませんか?
まとめ
・マインドフルな状態とは、「今、ここに全身全霊で意識を向ける」こと。
・五感を磨き、何ものにも惑わされず、どんな感情も客観的にとらえて受け入れられる状態。この状態が続くことで、心がより満たされ、良い結果につながると考えられています。
・研究事例多数。