Lesson7-2 セルフケア:マインドフルネス・瞑想法

マインドフルネスの広がり

グーグルなど大手企業で取り入れられ、最近注目を集めているのがマインドフルネスストレス低減法です。

元々は禅や宗教的瞑想から始まりましたが、米国で科学的な研究が行われ、現在では宗教性を一切排除した毎日10分間の瞑想法として広がっています。

ストレス軽減や集中力やパフォーマンス向上の効果があり、アメリカの大企業や有名大学、世界中の各分野で活躍している著名人など、多くの人がこの瞑想法を取り入れています。

10分間瞑想を2か月間続けて、「身体の不調」が35%が改善され、「心の不調」が40%軽減されたという大規模な医学研究もあります。

やり方

  1. 身体の力を抜き、背筋を正して座る。椅子でも布団でも床でもOK。
  2. 目を閉じて、自分の身体と呼吸に意識を向けてひたすらその様子だけを感じる。呼吸の長さなどを意識して、あるがままにただその動きを感じる。鼻から息を吸って、お腹が膨らみ、鼻から空気が抜けていくことに注意を向けてそれだけを追っていく。外の音、暑さ、寒さ、などをただ受け流す。
  3. 雑念が浮かんできても、受け流す。再び今の瞬間を意識して身体と呼吸に意識を戻す。雑念が浮かんできてもダメだとは思わず、「ただ浮かんできたな~」「では、今に戻ろう」と、淡々と受け流す。今の瞬間だけを感じるように意識する。
  4. 眠くなったら寝てもかまいません。ただし、眠くなるのはマインドフルな状態ではありません。「リラックスする」「眠くなる」とは正反対を目指すのが瞑想です。「感覚が研ぎ澄まされ、覚醒してクリアな状態、敏感な状態」が理想だそうです。

本当に必要なのか?

試してみた方、いかがでしたか?
最初の瞑想は30秒も持たないという方もあきらめないでください。後述するマインドワンダリングに惑わされ、雑念に押し流されてしまうのです。

また、こんな簡単な方法でパフォーマンスが劇的に上がったり、メンタルヘルス不調が治るなんて信じられない、という疑念がある方もいらっしゃるかもしれません。

後半では効果事例を掲載します。
これだけ効果があるから、と思い込めば、雑念との闘いを乗り切って、3分、5分、10分と瞑想時間を延ばせるかもしれません。一流のスポーツ選手などは、トレーニングとして一日30分行います。

一日10分間瞑想の必要性については、日常や仕事から離れて、自分の心をリセットする、と考えてはいかがでしょうか?
パソコンに例えると、常にバックグラウンドで無駄なプログラムが動き、本来容量を割くべきことにパワーがまわらない状態です。そして、再起動もリセットもしないまま、パフォーマンスが落ちてやがてフリーズしてしまう・・・。

寝ている間にリセットされているのでは?とお思いの方もおられるかもしれませんが、睡眠中も脳は昼間の出来事を整理するため、無意識ながら働き続けています
覚醒中(起きているとき)に、意識的に空白期間を作り、リセットしないと脳は休めないのです。

マインドフルネスと脳科学

マインドフルネスの効果は、脳細胞にも直接変化を与えます。

マインドフルネス瞑想を行うと、怒りやストレスをコントロールする脳内の扁桃体の暴走を抑えることができ、扁桃体の神経細胞が5%減ったという研究があり、心配や不安や怒りなどのネガティブな気持ちが少なくなったり、ストレスに敏感でなくなります

また、扁桃体が小さくなって副腎から出るコルチゾールの量が減ることにより、海馬の神経細胞が5%増加したという研究もあり、記憶力や想像力などをつかさどる海馬の機能が上がることも分かっています。

マインドフルネスと脳科学については、日々新たな研究結果が報告されていますので、ご興味のある方はテレビやウェブでチェックしてみてください。

マインドフルネスが効く理由

マインドフルネスがストレスに効く理由の一つは、マインドワンダリングから抜け出すことによって扁桃体の暴走を抑えられることです。

マインドワンダリングとは「過去や未来のことを想像してあれこれと考えてしまうこと」です。

生活している時間の47%はこの状態にあるといわれ、ストレスが減らない原因になっています。

過去を振り返って後悔したり怒りがこみ上げてきたり、また未来を想像して不安がったり心配事がますます増えたりと、常に考え事をしていてそれがストレスになってしまっているのです。

過去は変えられないので、後から認知を正して記憶を上書きするという方法もありますが(認知療法)、ひとつひとつの事象について行うのは困難です。なるべく過去の失敗や傷つきを気にせず、未来についても過度に心配しないほうが簡単で健康的です。

そのためにも「今のこの瞬間」に心を向けることでマインドワンダリングから抜け出すことができるのです。

まとめ

・マインドフルネスとは、宗教性を一切排除した毎日10分間の瞑想法。

・ストレス軽減や集中力やパフォーマンス向上の効果があり、アメリカの大企業や有名大学、世界中の各分野で活躍している著名人など、多くの人がこの瞑想法を取り入れている。

・「今のこの瞬間」に心を向けることでマインドワンダリングから抜け出すこと。