本人に伝えること
①自宅療養中の経済的保障
多くの会社で給与支給がとまりますが、有給の病気休暇制度を設けたり、有給休暇を自宅療養時に使えるなど、会社により制度が異なります。
自社の療養制度の説明や、無給休暇の場合は、ほとんどの会社で健康保険組合から傷病手当金が給与の3分の2以上支給されること、その受給要件や申請方法も説明しておくべきです。
②自宅療養中の身分・休暇制度
休業しているうちに解雇されてしまうのでは、という不安を払拭するために、就業規則にのっとり、いつまで社員としての身分が保障されているか説明します。
③相談体制
主治医以外に相談したい場合、社内の産業保健スタッフ(産業医、保健師、カウンセラーなど)に相談可能か、EAPや福利厚生の外部カウンセリングが利用可能か、その利用方法など。
④職場復帰の手続き
職場復帰したいと言っても翌日からすぐにというわけにはいきません。
上司との面談や産業医の判断、職場の受け入れ体制が必要です。
療養前に詳細を伝えるべきではありませんが、「職場復帰のためには全力でサポートしますが、そのために時間を要するので、職場復帰について考えてよいという主治医の判断が出たら、早めに知らせて」と伝えましょう。
公的・民間の職場復帰支援サービスについて情報提供するのも安心感につながります。
⑤自宅療養中の来社時の交通費・労災適用
休業中は労災適用にならないことを伝達します。
薬の影響などで普段より事故のリスクが高く、体力も落ちているので、無理をせずに十分注意するように伝えましょう。
就業規則などの整備と周知
復帰前提とはいえ、ときには降格や解雇も考えられます。
労働基準法や労働契約法等関係法令にのっとり、労使の十分な協議を行い、あらかじめ就業規則等に定め周知しておくべきです。
①私傷病による休業の最長保障期間
期間満了後に、雇用契約の解除を行う場合は、その旨も定めておきます。
②休業期間のリセットの有無
一度職場復帰してから、再び同一の理由で療養に入る時、休業期間に前回の休業期間を算入するのか、同一の理由範囲とは等について定めておくべきです。
どの程度、間をあければ算入されない(リセットされる)のかについても決めておきましょう。
心の病は、再発しやすいのが特徴です。復帰を急いだり、根本的な問題が改善されていなかったりすると特に再発しやすいとされており、対策が必要です。
休業期間が長引いた後に、これらの規則を伝えると、辞職の勧告のようにとられ、伝えるタイミングが難しくなります。
療養に入る前に、全員に一律に、マニュアルの一環として伝えるようにしましょう。
まとめ
・傷病手当金、身分の保障、相談体制、復帰の手続きを休業前に知らせます。
・就業規則などで、私傷病による休業の最長保障期間や休業期間のリセットについても周知しておくべき。