Leson6-3 職場でのメンタルヘルスケア:産業保健スタッフ、人事、事業外資源

事業内産業保健スタッフ

企業規模や考え方で、どのような職種のスタッフを何名配置するかは異なります。

産業医:

産業医は事業主に対して勧告権を有するため、就業上必要な配慮について意見するよう求められています。
しかし、精神科を専門としない医師が多いため、メンタルヘルスケア対策にあまり有用でない場合もあります

衛生管理者:

産業医などの助言、指導を踏まえて、教育研修の企画や実施、体制づくりを期待されます。
セルフケアやラインによるケアを把握し、産業医と連携しながら事業外資源(保健所など)と連絡調整して進めることが有効です。

保健師:

産業医、衛生管理者などと協力して、教育研修、相談対応、健康・保健指導を行います。

心理士・カウンセラー:

国家資格ではありませんが、他のスタッフと協力し、教育研修、相談対応、事業者への専門的助言を行います。

人事労務担当管理スタッフ:

管理監督者だけでは解決できない配置替え、人事異動、休職・復職ケアなど幅広い関与が求められています。
ただ、医療職ではないことから、守秘義務の問題が異なり、他の産業保健スタッフと情報共有しにくい点が挙げられます。
新メンタルヘルス指針では、事業内産業保健スタッフとして扱われていますが、労働者が医師へ相談した内容が、人事に共有されてしまうと、安心して産業医に相談できなくなります。

重要なのは、これらのスタッフが連携できる協力体制を築くことです。

事業外資源によるケア

外部の病院やクリニックなどの専門的な医療機関や、EAP(Employee Assistance Program:従業員援助プログラム)実施機関、地域の保健所や産業保健推進センターなどの公的機関、を指します。

先ほど、守秘義務の問題に触れました。
産業医は守秘義務があり、労働者からの相談内容をむやみに企業に伝えることはないのですが、やはり不安に思う労働者もいることでしょう。

その場合、独立した外部機関を利用することで、悩み相談や病状についての話をしやすい環境を整え、早期に対応できるかもしれません。

ただ、すべてを外部に丸投げはよくないので、あくまで企業が主体性を持ってメンタルヘルスケアに取り組み、プライバシーや専門的な解決の補助として外部機関を使う姿勢が良いでしょう。

まとめ

・事業内産業保健スタッフは、産業医、保健師、心理士・カウンセラー、人事労務担当管理スタッフなど。緊密な連携が鍵。

・事業外資源によるケアとは、外部の病院やクリニックなどの専門的な医療機関や、EAP(Employee Assistance Program:従業員援助プログラム)実施機関、地域の保健所や産業保健推進センターなどの公的機関のこと。プライバシーや専門的な解決の補助として利用可能。