Lesson7-8 セルフケア:SOC(首尾一貫感覚)

目覚めると雨が降っています。雨の日はあなたにとってどんな日でしょうか?

憂鬱だし、面倒くさいから家から出たくない・・・。いやいや、水不足で農作物が不作になり、野菜や高騰すると困るから恵みの雨。雨の匂いって素敵。お蔵入りのレインシューズで出勤できるチャンス。

そう、あなたの受け止め方次第ですよね。

日々繰り返される生活の中で起こる様々な出来事、天気やちょっとしたことなどでも、感じ方やその後の気分が人それぞれ違うのはなぜでしょうか?もし、性格や人生までも左右しているとしたら?

SOC(首尾一貫感覚)とは?

SOCは、ユダヤ系の医療社会学者のアントノフスキーによって提唱されました。

彼は、第二次世界大戦後にユダヤ人強制収容所から生還した人々を観察しました。すると、明日ガス室に送られるかもしれない、餓死寸前という過酷な経験をしても、精神的・身体的に自分を守り抜き、むしろその経験を成長の糧にした人々がいました。
生還後、健康に生活しながら「あの頃の出来事は人生の糧となった」とまで言える人がいる一方で、「重度の精神障害に悩まされるようになった」人もいました。

この差を生み出す要因を研究する中で、彼は以下の3つの感覚を発見し、これらが究極のストレス状況を乗り越えるために重要だと述べています。

有意味感

どんなことに対しても意味を見出せる力
今は興味がなくても、将来何かの役に立つと「やりがい」「意味」を見出す力。

全体把握感

直面した困難な状況を、秩序立った明確な情報として受け止められる感覚
パニックに陥らず、短絡的にもならず、先を見通す力。
たとえ周囲や社会に翻弄されていたとしても、自分が状況を把握しており、自分をコントロールしている感覚

経験的処理感

自分が良いと思う行動を最後までやり抜けるという感覚、なんとかなると考えられる力
これまでの経験に基づいて、自分に何ができて何が出来ないかを把握できていること。
できることとできないことの線引きをしっかりして、悲観的にならずに素直に人に頼れるか、ということ。

SOCを身につけるには、どうすればよい?

要はポジティブシンキング?私にはそもそも無理、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際に、生来のままでポジティブという人はあまりいません。

皆、自分に言い聞かせ、自分をポジティブでラッキーで幸せだと思い込んで、ある意味「ポジティブを演じている」のです。そして、小さな成功体験を積み重ねるうちに、演技が素の自分を変えてくれるというわけです。

理想は、「何が起きても動じない強さ」ですが、多少動じてもすぐ冷静になれたら問題ありません。
大切なのは、問題に直面した時、「全て必然であり、必ず意味が有り、後で自分のためになる」と考えること。

そして、冷静かつ客観的に、状況や対処法を考えます
これがなかなかできないのですが、経験と訓練で身に付きます。メンタ―や書籍から学ぶこともできます。

さらに、あらゆる知識や経験を総動員して事に当たり、力の及ばないところは周囲の助けを求めてでも解決します。自尊心は大切ですが、自分を苦しめるようなプライドは持ちません

人生100年時代と言われますが、どうせ同じ経験するのであれば、ストレスをストレスと感じることなく、楽しく幸せな時間を積み上げたほうがいいですよね。

とはいえ、自分の性格を変えようとしても、これまでの人生で精一杯頑張って生きて来た結果としての、自分の癖や習性・習慣は、そう簡単に変えられるものではありません。
子供の頃から楽天的なポジティブ思考が培われることが理想ですが、成人を過ぎてからも日々の考え方や捉え方のトレーニングにより、変化してストレスに強くなっていく事は現実的に可能です。

まずは、効果を信じて、思い込みや演じることから始めませんか?

本当の笑顔でなくても、口角を上げるだけで、脳は「楽しい」「幸せ」だと認識します。「ポジティブ」や「幸せの感覚」も、訓練や学びで身につけられるのです。

セルフケアをいくつかご紹介しましたが、この中からご自身にあうものを見つけ、日々の習慣にひとつでも取り入れていただければ、きっとあなたの役に立つはずです。この講座を学ばれる方々は、勉強熱心で向上心にあふれていることでしょう。後は、自分の力を信じるだけ。一歩踏み出せば世界は変わるものです。

まとめ

・SOCとは、究極のストレス状況を乗り越える差を研究してうまれた。

・有意味感、全体把握感、経験的処理感からなる。

・ポジティブに信じ、思い込むことから始められる。