Lesson7-5 セルフケア:アンガーマネジメント②テクニック

衝動、思考、行動をコントロールするのがコツです。

衝動のコントロール:最初の6秒をやりすごす

まずは、怒りの感情のピークである「最初の6秒をやりすごす」ことが重要です
人は怒ったときに最初の6秒でアドレナリンが強く出ると言われています。このコントロールできない6秒という時間をやりすごせば、心が落ち着いてきます。

イラッとしたりむかつくことがあったら、指で実際に秒数を数えてみましょう。

体を使って待つことを覚える方法が1番効果的です。慣れてくれば頭の中で待つのもいいですが、体で作業して待つ方がより効果が期待できます。

魔法の呪文を唱えて自分を落ち着かせるという方法もあります。

私の場合は、「ま、いっか」。
元々、完璧主義とまではいかなくても結構思いつめて、こだわりを持つ性格のため、イライラすることがたくさんありました。しかし、育児では思い通りにならないことだらけ。服が汚れても、多少時間がずれても、「ま、いっか」と口に出すと気持ちがおさまるようになりました。
今では、娘まで「ま、いっか」と瞬時に気持ちを切り替える合言葉として使っています。

もちろん、これでは済まないこともあるのですが、それはそれ。心の余裕を持つほうが大切です。
皆さんも「大丈夫」「なんとかなる」「私は私」「たいしたことない」「生死には関わらない」「長い人生いろいろあるよねー」など、魔法の言葉を探してみてください。

思考のコントロール:「べき」の境界線を広げる

私達は、様々な理想、願望、信条を持っています。Aさんは「間違ったらあやまるべき」、Bさんは「家事育児は夫婦で行うもの」、Cさんは「機会は平等で、努力は報われるべき」とそれぞれの思い・考えがあります。

自分が考えるこうある「べき」という考えに対して、相手とのギャップができると人は怒りを感じ易くなります

「べき」とは、私たちを怒らせるものの正体であり、自分の理想、願望、信条を象徴する言葉です。
自分の「べき」は何か、相手が思う「べき」は何か、周囲の「べき」を理解しておくと、相手の怒りが理解できるようになります。

自分と相手の「べき」の境界線を知る

三重丸を書き、相手と「1.自分と同じ」「2.少し違うが許容可能」「3.自分と違うので許容できない」の境界線を考えてみます。

違う価値観を持った人を許容できるようになることが望ましいのですが、自分の許容範囲は他人には見えないし、他人の許容範囲も見えません。だからこそ自分の許容範囲を広げる努力をするのが重要なのです。

具体的には「そもそも」「ちゃんと」「しっかり」という曖昧な言葉を使わず、相手に「せめて」「少なくとも」「最低限」どうしてほしいかを具体的に伝えることが挙げられます。

書き換え

自分の言葉で、「べき」を「別の立場だったら」「いつも怒らないあの人なら」と書き換えるのも有効です。

例えばAさんなら

「この同僚は自分の間違いだと気づいていないのかもしれない。(むしろ私に対し、なんで自分の間違いなのに謝らないのだろうと思っているかもしれない)」
「重要は急ぎの修正だったのであせって、謝ることを忘れたのかもしれない」
「礼儀として誤ったほうがいいが、ここは職場だから目的が達せられればいいか、もともとドライな関係だし」
「礼儀を押し付けると窮屈になる」など。

Bさんなら

「手伝って欲しいなら言わなければわからない」
「夫は言えばやってくれる」
「夫は疲れていたのかもしれない」
「夫は私が家事育児が好きだと思っているのかもしれない」などです。

もはや、言い訳探しに近いのですが、それでも自分の許容範囲が広がればしめたものです。

行動のコントロール:できるものだけコントロールする

怒りの感情は身近にあることほど大きいといわれています。

「自分がコントロール可能なのか」×「重要度」

という考え方で怒りを仕分けしてみましょう。

そして、その怒りに対して、「いつまでに」「どのように」「どのくらい変わったら」自分が気が済むかを決められれば、怒りをコントロールすることができます。しかしそれが決められないと、ずっとイライラは続きます。

怒ることで変えられるならばコントロールすべきです。
しかし変えられないことや、コントロールできないことや、重要でないことはそのままでいいのです。

問題は、「重要だけど、自分ではコントロールできないこと」。
例えば、急いでいるときに渋滞にはまったとしても、自分では渋滞をどうすることもできません。そのときは現実を受け入れて、自分でできる選択肢を探すことが大切です。
行き先に連絡したり、音楽を聴いて気を紛らわせることができそうですね。

自分が変えられないことは、受け入れる。そして「あきらめる」「がまんする」という表現は使わないこと。よけいイライラします。「人にはそういうことがあるんだ、まぁなんとかなるさ」と、受け止めるだけでいいのです。

アンガーマネジメントの流れ

 6秒待つ

↓

手のひらに書く、魔法の呪文で自分を落ち着かせる

↓


一次感情を探す

↓

自分の中にある「べき」を探す

相手との違いを思い起こし、書き換えをする

↓


 怒らなくていいことは怒らないで、受け流す。

↓


 怒るならコントロールしながら。その場限りで終わらせる。

怒りは身近な対象者ほど強くなり、高いところから低いところへ流れる伝染しやすいエネルギーです。手始めに、家族や親しい友人、同僚などでイメージトレーニングを始めてみるといいかもしれません。

まとめ

・以下の3つのコントロールが中心となります。

・衝動のコントロール:最初の6秒をやりすごす

・思考のコントロール:「べき」の境界線を広げる。相手と自分の違いを知る。

・行動のコントロール:できるものだけコントロールする。受け流す。