Lesson1-1 ストレスの仕組み

そもそもストレスとは?

ストレスについてどんな印象をお持ちですか?

以下はよく聞く話ですが、本当なのでしょうか?

①ストレスはネガティブなものだから、ゼロにすべき

②うつ病の原因はストレスであり、ストレスを感じなければ、うつ病にならない

③自然が多くゆっくりとした田舎暮らしではストレスが少なく、大都会ではストレスを感じやすい

④いやなことがあれば、飲んで食べて騒ぐことが効果的なストレス解消である

⑤ストレス耐性は生まれつきのもので、努力では変えられない

⑥ストレスを感じたら、まずはひとりで自分を見つめなおすべき

⑦好きな人といればストレスを感じないで済む

実は、これらはすべて間違いといえます。ストレスは必ずしも、悪いものとはいえません。人は、原始時代に獲物を捕らえようとした時、「恐怖」というストレスを感じたはずです。しかし、そのストレスをエネルギーに変え、自身を奮い立たせ、緊張感が注意深さや集中力を生み出すなどして、食べ物を手に入れました。人類はその繰り返しで進化してきたのです。ストレスのない生活は、心身を鈍くし、成長につながりません。ストレス学の父セリエはストレスは人生のスパイスであるという言葉を残しています。適度なストレスがあるからこそ、目標に向かって、がんばることができるのです。

しかし、一方でストレスによりイライラしたり、健康を害するケースがみられるのも事実です。

では、適切にストレスとつきあうにはどうしたらよいのでしょうか。

ストレスとの付き合い方

第一に、ストレスが起きる仕組みを知ること。「このイライラの原因は、ストレスなんだ」と分かれば、それだけでも解決に近づきます。そして、良いストレスと悪いストレスを見分けることです。

第二に、受けたストレスを上手にコントロールする方法を身につけること。ストレスへの対処法は、コーピングと呼ばれています。いろんな種類があり、皆さんにあった方法を選ぶことができます。次のレッスン以降で詳細を学んでいきます。

また、周囲のサポートも大切です。周りに迷惑だと思い、自分だけで切り抜けようとしてはいけません。最初の段階で愚痴を言ったり、相談できる相手はいますか?職場にはサポート体制が整っていますか?

第三に、ストレス耐性を高め、免疫力も高めていくことです。同じストレッサーであっても、個人の性格・対処方法・ライフスタイル・体質により、反応は異なります。ストレスに動じず、そもそもストレスだと認知しない受け取り方や習慣を身につけましょう。訓練が必要ですが、誰でも可能です。

意外にも、ストレスに関して、学問的に確立された定義はまだないのです。以降のレッスンではいくつか代表的な考え方を紹介します。

Lesson1-1まとめ

  • ストレスは人間にとって必要不可欠で、良い効果もある
  • ストレスの仕組みを知り、良いストレスと悪いストレスを見分けることが重要
  • ストレスを上手にコントロールする方法(コーピング)は、訓練すれば誰でも身につけられる
  • 周囲に相談しよう
  • ストレス耐性をつけ、免疫力を高めよう