今、日本の心の健康は悪化しているといわれています。
毎年の自殺者は3万人を超え、先進国では最も高い水準です。毎年の交通事故による死者数が5000人を下回っていることからも深刻さが分かります。
職場の健康問題は、結核、有害物質、生活習慣病と変化し、現代はメンタルヘルスが主題です。
労働環境に注目するとバブル経済以後の急激な社会変動により、失業、転職、職場の配置転換などにより個人の生き方の変更が必要とされ、今までの価値観が崩壊したことが大きな原因でしょう。過労による自殺も増えています。
厚生労働省の調査によると、6割近い労働者が仕事や職業生活での強い不安、悩み、ストレスを感じていると回答しています。
職場のストレスでは、「人間関係」が第1位です。続いて「仕事の質」「仕事の量」、「適性」などです。
最近の職場環境の変化では、以下がストレス要因になりやすいのではないでしょうか。
・終身雇用の崩壊
・成果主義など新しい評価制度、裁量労働制など新しい労働形態の導入
・常にスキル向上を求める職場
・多様な雇用形態、被雇用者、生み出される不平等感など
メンタルヘルスに関する法整備
このような状況に対応して、政府による法整備が進められています。
主なものを挙げておきます。
・労働安全衛生法と安全配慮義務
公法的規制(行政によるもの)として労働安全衛生法、私法的規制(民事で争われる)として安全配慮義務があります。
判例を見てもメンタルヘルスについて、どこまでケアすれば安全配慮義務を全うするかという点については明確な答えはありません。
・労災
労働災害とは、「業務に起因して労働者が負傷、疾病にかかり、又は死亡」することです。
従業員側への補償のシステムとして、労働基準法上の災害補償責任と、民事上の損害賠償責任があります。心の問題での労災認定件数は急増化しており、2011年には325件でした。
・労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルスケア指針)
労働安全衛生法第70条に基づき、2006年に厚生労働省から示されました。
・働き方改革関連
過重労働による健康障害の防止を目指した法律や規制が強化されています。
まとめ
・日本の毎年の自殺者は3万人を上回る。
・職場のストレスでは、「人間関係」が第1位。
・労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルスケア指針)が厚生省から示されている。