うつ病の人への対応のステップ
皆さんの周囲の方がうつ病にかかったとき、どうしたらよいのでしょうか。本人はネガティブな思考にとらわれており、無理な励ましや「あなただけがつらいわけじゃない」といった発言は逆効果です。
①まず、自殺の可能性がないか、誰かを恨んで害を与える行動に出ないかを確認しましょう。
②次に、判断・批判をせずに話を聞きましょう。無理な励ましもいけません。
とにかく、安心させてください。ひとりではない、サポートするということを伝えましょう。
③うつ病という病に関する情報を与えましょう。
うつ病は誰もがかかる可能性があり決して珍しくない、うつ病は弱さや性格の問題ではなく脳内伝達物質の不調による医学的な問題であり、必ず治る病気であると言いましょう。
今はやる気が起きず何もできなくても、怠け病ではなく、相手の人格を貶めるものではないと伝えてあげてください。
④適切な専門家や医師に相談するよう勧めます。
⑤あなたに確かな知識があれば、自分でできる対処法(セルフケア)を勧めます。
これらは、信頼関係がある程度あり、あなたが相手との関係に腰をすえて取り組める場合を想定したものです。うつ病の時は、物事のとらえ方や考え方がおかしくなっています。中途半端にサポートを約束すると、あなたが恨まれるということも考えられます。
自殺の危険性がなければ、早期の受診を勧め、人事部や医師にバトンタッチする判断も有用です。
セルフケアについては、後述します。
うつ病になりやすい人とは
うつ病になりやすいのは、女性、血縁家族にうつ病経験者がいる人、うつ病や他の精神疾患にかかったことのある人、虐待や育児放棄など成長過程でのつらい経験がある人、自殺未遂経験者などです。
性格としては
・几帳面、真面目、誠実
・秩序やルールを重んじる
・完璧主義
・競争心が強い、常に全身全霊で仕事に取り組む
・神経質
ですが、これらの性格の人は概してとても優秀で責任感があります。信頼して仕事を任せられる相手です。
ただ、本人が頑張りすぎてうつ病になったり、つまづきから停滞してしまうことがあるので、ほどほどに手を抜くことも時には必要です。
躁うつ病、双極性障害
うつ病の10%前後は躁状態になります。躁うつ病と呼ばれていましたが、最近は双極性障害(抑うつと躁状態の二極)と言われています。
気分は爽快、自信過剰でエネルギーにあふれており、本人は異常な状態だと気づきません。
睡眠時間が短くても平気で、アイディアにあふれ、新しくいろんなことを始める人もいます。しかし、高価な買い物をしたり、周囲ともめたり、後で後悔するような行動をとってしまいます。
治療では、気分の波を上げる可能性があるため抗うつ薬を中止し、気分調整薬(波をおさえる薬)か抗躁薬(躁状態を抑える薬)を用います。1か月前後で症状は落ち着きます。
最近は、明らかな躁状態ではない軽躁状態がみられる双極性障害Ⅱ型が増えているといわれています。
うつ病がなかなか治らず長引く、私用の外出や旅行は楽しくできても会社には行けない、という場合は双極性障害Ⅱ型かもしれません。
見極めが難しい病気なので、自己判断せずに専門医に相談してください。
Lesson3-4 まとめ
・自殺念慮の有無確認後、傾聴する。
・うつ病になりやすいのは、女性、血縁家族にうつ病経験者がいる人、うつ病や他の精神疾患にかかったことのある人、虐待や育児放棄など成長過程でのつらい経験がある人、自殺未遂経験者など。
・うつ病の10%前後は躁状態になるが、最近では双極性障害と呼ばれ、その中でもⅡ型が増加傾向。